「弱者」とはだれか / 小浜逸郎


 【短い右腕は個性 世の中を変えることだってできる】
                 (東京2020
この言葉がテレビから聞こえてくると
切なくなる

「個性」って、何?
ひと月ほど前に読んだ本
「弱者」とはだれか

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「個性」ということばの使い方には、
「特長」と同じように
その人のすぐれた持ち味とか美点といった
ニュアンスがことばにこめられている。
            (抜粋)


私はなぜ 切なくなるのだろう

「個性」だと言い換えなければならないほどの
生き辛さを彼らが味わってきたと
思うからだろう


「生まれつき右腕が短いの」
「あら そうね」
ただそれだけ そんな風であったらいいのに


  20代の頃 盲目の少女との関わりがあった
  お母様は
  「可哀相だなんて思わなくていいのよ
   この子は見えるということを知らないのだから」と仰った
  そして 小学生の少女はなんでもできた
  困り事だけに 少しの手出しをすれば事足りた


そして今
差別用語放送禁止用語のなんと多いこと
八百屋 肉屋 魚屋などが
差別用語として放送禁止なのだそう
     (知らなかったぁ・・・)

  「屋」には日銭稼ぎの意味があって 格下感があるのだと

イカ割りも視覚障害者への差別と見なされるそう
(そんなこと一度も思ったことがないのに)

こんな時代に生まれることはできないだろう


「弱者(と名乗る人々)」の権利が大股で闊歩しながら
「ことば」が痩せていく


                 (小田原 オカメ桜)
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