ことばの向こうにみえるもの
洗練されたことばの美しさが好きです
見ないでいよう、気付かないふりをしていよう
匂い立つようなことばのエレガンスが好きです
ことばの向こうに見える風景が好きです
立て続けに 辻仁成氏の作品です
どの作家でも短編は苦手なのですが
【明日の約束】に収められた6篇
なかでも
『隠しきれないもの』は引き込まれました
何もないはずなのだから 善人のようであり続けよう
そんな大人の不都合や 平穏を繕う世間を
子供の率直さで 陽のあたる場所に引き出してくる
子供に邪気が無いなど 私は思っていませんので
あたかも深い意味はないかのように子供が放つ問いかけに
作家の意図を深読みしています
不都合を遣り過ごすことのできる人
不都合を受け止めてしまう人
そして不都合を受け止めきれない人
いずれにしても隠し切れない不都合は存在している
お若い作家さんを立て続けに読むと
必ず戻りたくなるのが
古典の部類に属する本
普遍性でしょうか・・・
とても 寒いから
ぬくぬくしながら
本を読むのです