心地好いことば ♪そうだね♪
生まれてからずっとマイペースの長男
「Tくん(息子)は反抗期があった?」とよく訊かれました
私の応えは「生まれてから一度も親の言うことをきいたことがありません」
中学3年の夏休みに 夫のブカレスト赴任に同行
長男は転校したくなかった
クラス担任は「いてくれるだけで良かった。用事がないのに名前を呼びたくなる」と
残念のお気持ちを私に伝えてくださいました
出発の飛行場には大勢の友人の見送り
(ああ・・この子は本当に転校なんかしたくなかったでしょう)と思い
申し訳ない気持ちでいっぱいになりました
機内に入り、席に着いて 息子が言ったのは
「機内食なんだろうね。楽しみだネ・おかあさん」
私の申し訳ないの思いは、この言葉に救われました
現地の日本人学校でも
授業毎にジャンケンで席を決めることを提案実行
「Tくんのおかげで残りの2学期を本当に楽しく過ごせました」と
卒業式後に言われました
保護者の関係が濃密で親の不仲が子供にも影響していたようです
学習発表会では、転校生が初めての登校日のスクールバス停で
「Tくんがおはようと言ってくれた。
ここではいじめられないかもしれない」と思った事を述べていました
何処にいてもマイペース
・・そして私の知らないことばかりがゾロゾロゾロ
(恥をかくのも仕事のうち、と母親業をしました)
殊更、ひとの為に何かをしようなどとは思ってもいない
ひとと比べることもない
自分のしたいようにしているのですから、不機嫌になりようがない
おかげで 「うっるっせぇなぁ」 の決め台詞を言われたことは無い
高校はイギリスで寮生活
大学は先に帰国して、ひとり暮らし
親から解放されて
マイペースに快適さが加わったことでしょう
一緒に暮らしてみると 夜遊びで帰りが遅い
顔を見た途端に、心配が怒りに変わる
息子は「心配してくれなんて頼んでないよぉ」
(そうね・・たしかに頼まれてはいないわねぇ)ともうひとりの私が言う
息子との会話はいつもこんな風
30歳を過ぎた息子に
「煙草はからだに良くないのよ。そろそろ止めたら」
「そうだね。吸わずに早死にしちゃったひとは可哀そうだね、お母さん」
(そうねぇ・・吸ってる人がみんな早く死ぬとは限らないわねぇ)と思う私
ステレオタイプでは説得力不足
(息子に座布団2枚)
「いちいちウルサイなぁ。止める気なんかないよ」 とでも言ってくれたら
こちらも臨戦態勢を取れるのですが
息子はこちらの言い分に対して最初に
「そうだね」 といつも言うのです
何気なくて 長いあいだ気付かなかったのですけれど
「そうだね」 と言われて、受け入れてもらえたような気がしていたのでしょう
老いて、学ぶ
♪そうだね♪は人間関係を滑らかにする優れもののことばではないかしらと
思うようになりました
2018年は 落ち着いて「そうだね」から初めてみよう
(せっかちですからねぇ 結論が先にきてしまいます)
夜明け前
長文を失礼いたしました
年の初め(だけ)気合を入れてみました
お読みいただき ありがとうございます